同じ駅から同じ時間帯に、電車に乗り続けて十数年。
思えば最初の頃の乗客はどうなったのだろう。
この駅を利用し始めて、最初から見かけた学生さんがいた。
お下げ髪の制服から中学生だったろう。
一つ目の駅でいつも降りていた。
いつしか、駅に向かう横断歩道でも見かけるようになり、帰宅時にはクラブ活動で遅くなったのか友達とはしゃぐ姿もみた。
試験日のころには電車の中で参考書を広げてる姿もありました。
やがて制服が替わり降りる駅も変わった、高校生になったのだ。
同じ乗換駅で乗り換え特急で二つ目で降りる。こんな通勤風景がしばらく続いたが、数年後にはついに見かけなくなった。遠くの大学へ行ったのだろうか時間が変わったのだろうか。
そして、いつしか忘れてしまっていた。
ある日の日曜日、駅に向かう道でよく似た人を見かけた。
そうだあの学生さんだ、立派なお嬢さんになっている。
就職したのかな、お休みだしデートかもしれない。実家がこの町だろうしまだ住んでいるのだろう。
見かけなくなって十数年が過ぎた頃、久しぶりに家族連れの中に、小さな子供をだっこしている、その人を見つけた。
結婚したんだ。そして実家に遊びに来たんだろう。
あのお下げ髪で寒い日にほっぺを真っ赤に染めてた、クラブ帰りでジャージ姿の中学生が、十数年を経て今、結婚し妻となり母となっていた。
私はいつもと変わらず、同じ電車で同じ会社へ通っている。




コメントする